梅雨がくる前に
はじめること。
■U&DESIGN リハーサル 日和
昼過ぎ、ご飯を食べそこね、まだ手帳に詩を書きつづけていると、
一台の車が向こうの道を通り過ぎるのが見えた。
須藤の車で20分先のStudioへと国道を走る。
照りつける日差しは、フライパン街にいる私たちを焦がす。
20代後半、ふたり揃って『銀座ライオン』でBeerを飲んだことがあった。
私たちが、私たちのために、
大人になろうとすることで、
不毛な頓挫をすることがまれにある。
今思えば、
中学部活動の最中に味わった、
成長痛のようなものだったのかもしれない。
際限なく、垂れつづけている時という闇の中で、
私たちは京都の清らかな小川にまかせる水草のように、
成すがまま、訪れる季のように流れようと。
それが今、『らしい』所作なのかもしれない。
Kenji Ayabe