瀬戸大橋ごしに、遠く青淡くぼやけた直島の波止場を見やろうとする。
僕らは旅の効能について、何度目かの想像を膨らませる。
〜丹精こめて出会う 築く旅〜
新たな”家”と”友人”は、初めて訪れる僕を、目をまっすぐに瞳の玄関口で歓迎してくれた。
彼らの頬笑みの中で、じんわり広がっていく水滴が落ちた、水面の記憶のように、新しい感動は伝播していった。
〜京都 sole cafe にて、 OLDE WORLDE と。〜
童話としての沼田くんは、日を追うごとに、1ページずつ書きたされ、物語を彼自身の皮膚でもって、僕に読み聞かせてくれる。
使い方の分からない外国の遊具のように、大人の心をきらめかせ癒して成長させる。彼の音楽は日々ツーリストとして楽しむ人の大切な居場所となってる。
sole cafeの主人は、美しい無人島の入り江を作って、小さな灯火を焚いて、自由に音楽家と旅人を囲んだ。
僕とOLDEは、その主人に見守られることで、安心して夜空の下で出し物を広げることができた。
〜大阪 Shangri-La 、 奇妙礼太郎 踊ろうマチルダ と。〜
奇妙なことは、ひとつとしてなかった。
彼らの言葉は、ハイウェイをひた走るキャンピングカー。
ガソリンを給油するために立ち寄ったCafeで、コインを稼ぐ為にギターを抱えるように、彼らの人生の目的は、西陽を浴び続けるためであるようだった。
彼らにとって、日本の道路は短かすぎるように見え、アメリカの果てしない草原をかける1台のトラックに乗った、ナショナルジオグラフィックの専属カメラマンのように、境地へと渡り歩く姿がまざまざ見えた。
Shangri-La に出会うためには、キイ店長のやや腹回りの大きな、それと同じような包容力に迎合されなければならない。
僕は、このツアーを帰宅してから、彼の顔を思い起こさない日はない。
〜徳島 Cue! 岡山 KAMIORI KAORI 〜
四国には初めて足をつけた。
1通のmailから、ひとが会うまでの距離を、徳島市cafe boosanで、Cue店主の青木さんと一緒にカレーを食べながらふと想った。
一寸前まで他人だった彼の話しに大笑いしている僕らについて。
僕の音楽を、彼から紹介されることに運命を感じて。
(スタッフさんがとても可愛らしくて、お店のドアを開けた瞬間に「えっ、アヤベさん?」って声をかけてくれた。なんだか、そのお店が僕にとって帰る場所のひとつであるように)
岡山ではKAMIORI KAORIさんとご縁がある。
繊細な出で立ちで、おしとやかに出迎えてくれる。全く初めてお会いしたのに、久しぶりに顔を見れたという気がした。「岡山の人ってそんな気にさせるのよ」と仰ってるような、上折さんのお母様にお茶のおもてなし頂き、すっぽりと指輪やアクセサリーが静かに瞬く、店内に腰を落ち着けてしまった。
〜 広島 スマトラタイガー jam.#07を築いた女性の2人 〜
ショートカットとセミロングがとても似合う2人。
日向の中で、快活に飛ばすフリスビーのようなひかり。
木陰に座って、毛糸と棒針で編んでいくようなひかり。
対照的なひかりを持ち合わせた彼女たちの玄関に招き入れてもらい、僕ら3人は温い日ざしに包まれて、とても心地よい演奏をすることができた。
スマトラタイガー主人の機材への人並みならぬ拘りに2割程度頷きながら外へ出ると、闇夜から白い雪が舞っていた。
〜 ギター 粂くん ドラム 海老原くん〜
1200%の愛をありがとう。
左から くめくん えびくん あやけん
(写真=nina)
2015年3月12日
東京 FEVERへ、ご参加お待ちしています。
素敵な出会いを。
Kenji Ayabe