LETTER
幕が、あく
今に始まったわけでは、ない
32年太陽の日ざしに醸されて
”草原を走るカモシカになれ”
放牧した者は、長い間
ぼくに言い伝えることに怯えていた。
帯状の朝焼けを映す畔を
凍えきった窓辺から見た。
山の裾野を踏みしめた
足は、目は、耳は
そこを離れることが出来なかった。
Kenji Ayabe
今に始まったわけでは、ない
32年太陽の日ざしに醸されて
”草原を走るカモシカになれ”
放牧した者は、長い間
ぼくに言い伝えることに怯えていた。
帯状の朝焼けを映す畔を
凍えきった窓辺から見た。
山の裾野を踏みしめた
足は、目は、耳は
そこを離れることが出来なかった。
Kenji Ayabe