東京駅 散歩 OLDE WORLDEと1日

1月31日 14:05

東京は丸の内、三菱一号美術館に併設された “cafe 1894″。

冬晴れの午後、iPhoneに目を落とし、冬の冷たいビル風に黒髪を巻かれながらも、リュックを背負い軽い足取りで進む彼を遠目から眺めた。

〜初めて訪れた旅先の国であるかのように日々を過ごす〜

unnamed

沼田くんと出会って5年程。面と向かって話すのは今回が初めてのこと。

ステージに見る彼とは、童謡の発表会を草原に広げて、空の雲間からそっと見守っているような、そんな温もりの距離を僕は感じて、演奏を終えてからもなんだか、可笑しなことにその間は縮まることはなかった。

今週の2月5日(木)の、京都sole cafeでのTwo Man Liveが決まり、改めて彼の奏でた音を部屋で聞き返してみる。渓流のような爽やかさ、その源流を辿りたい気持ち、そして同じ時代をどんな風に彼は過ごして来たのかに興味が湧いた。

せっかくの会談と選んだ先 “cafe1894” は、到着してみるとなんと10組30名待ちで仰天した。(銀行の営業室と利用された場所を再現した文化財としての価値ある場所とのこと)

逃げる様に建物を出て、国際フォーラムを風よけにし、新たなお茶の場を探す。

沼田くんのフリックの早さには驚き。

unnamed-1

 

皇居周辺や、東京駅周辺を以前から歩いてみたかったし、東京で育った彼も、意外にも東京駅を外から眺めたことがなかったということで、お茶の場へ向いながら辺りを散歩をすることに。

 

IMG_7132

東京駅の正面に建った、日本郵便が初めて手がける商業施設 ” KITTE” 。そのテナントの “CAFE 会”という、ご婦人御用達の女子会会場に20分ほど並ぶ。

肉を一切摂らないマクロビオティックな彼のススメ談義を、店内から漏れでた日本茶の匂いを嗅ぎながら聞いていると、身体が玄米菜食を欲しがってくる(2月1日をもってのプチマクロビオティック宣言を後にすることとなる)。

 

〜英語は絶対に勉強するな〜

彼の音楽を初めて耳にした時の状況を憶えている。

“洋楽”と、心より素直な耳は、そう判断した。

海外に住んだ経験があるものだと思い込んでいた。日本人より外国人との会話の方が楽しそうにしているのを何度を見かたことがあった。

英語は大学生時代からの独学だということを聞いて、茶柱が一気に20本くらい立つ気がした。しかもその勉強方法に驚愕。

・はじめから分からない英単語を、英語の辞書で繰り返し調べていく方法(和は一切ない)。

・外国の映画を、字幕無しで書き取り、自分で役になって演じる。

・Skypeで外国人のチャット相手を探して、喋らせてもらう。

他にも色々あったが、この3つは実行力に根気がいる。なんだかFBのタイムラインに流れてくる広告に載っていそうだ。わらび餅を口に運びながら彼の音楽の話しへ。

〜自分のペースこそが、自分の表現〜

大学時代にバンドを1度だけ組んだことがあると言った。気を使うので1年経たず抜けてしまったと。

僕たち音楽家が、自分の音楽を守れない瞬間がある。それは自らの道徳に芽生えた”やさしさ・気遣い”が仇となる場合。

間も悪く、偏見的な”常識美”を盾に彼らはさらに襲ってくる。

彼が音楽を制作してきた環境というのは、日本で最も優れている状況下の一区画だと言いたい。なぜなら今まで出会った中でも、最も表現者への理解を心得ている事務所とスタッフ方々は、そういった魔の瞬間を全て排除すべき方法を知っているのだから。

(去年のクリスマスその事務所に伺い、OLDE WORLDEスタッフさん2人で3時間を過ごした(そして帰りには沢山のプレゼントを頂いた))

彼の生活や動作の愛しきペースは、思いかえせば楽曲やステージから得られる、童話のような、けもの道を行く赤毛のアンの嬉々としたステップのような、終わりない幸福を、自然体の道に求め、そしてその幸福を最も身近な場所に発見し続けられる人、その面影を目の前の青年に重ねて見ることができた。

 

IMG_7140

 

東京駅を後にして皇居方面へ歩く。重要文化財、明示安田生命館の前で。

江戸城跡が後方に見え、池波正太郎著作の剣客商売の時代を見てとれるような二重橋に惚れ惚れ。

IMG_7148

 

彼は僕にとって異国であった。

風景はとても魅力的だった。

Kenji Ayabe