「壁掛けの音楽による1日」

3月12日

いよいよ、来週の木曜日に訪れる、3人の音楽家による「3人の1日」が行われます。

僕が見てきたのは、イタリアの石畳を渡る男性、静岡の海で嘆く男性、カリフォルニアの夜空の天体を眺める男性。

ひとり、ひとつの物語を感じることで、自分との違いを憧れることで、僕らは大人になっていくことに。

 

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OLDE WORLDEが、童話世界のつづきを演じるように、世界は夢と一致している。

彼の描く、自由と自分との、密着しながらも、その間に挟まった(普通でいえば絶縁体になるはずの)紙には、モンゴメリの赤毛のアンの様な、素敵な並木道には名前をつけてしまうような軽快な絵がいつでも色豊かに彩られている。

彼の1日の断片を体験する事で、少なからず僕は、軽快な主人公に憧れて、今月末に咲き誇るであろう桜並木に、自分だけの呼び名を、そっと名付ける知れない。

 

Laika Came Backが、その数十はある瞳で、世界のドキュメント・記録を、(三島氏が「豊饒の海」で成したように)現代へと伝播させる。国を渡り摘み取った言葉と、太陽の下で滲み出した和音を、僕の音楽によって勧められた感覚神経がいよいよ突出し、その迎入れた果敢ない場所には豊穣の稲を実らせることになる。

彼の1日の断片を体験する事で、少なからず僕は、その時間だけは、街に放出された音楽が与える影響について考えることを止められる。そして、葉が日射しを与えられるように、自分にあらかじめ用意された、幹を支える根や、枝や花の存在に、はじめて気が付くかもしれない。

 

僕の小さな結び目が、あなたの大事な1日になることを願います。

素敵な夜に。

Kenji Ayabe