kenji ayabe

NOTE

JとC tour おわりかけ。

 

ジェーチャリが6周年を巡る旅。

 

7月22日

 

08:04

 

神戸・旧グッゲンハイム邸の公演日の朝、

ビジネスホテルのベッド。身体を起こすと、

誰かが打ったファールボールが、

間違って胃に入り込んでしまったような、

吐き気に私はおそわれた。

 

 

<写真=京丹後にて>

 

 

明石駅から邸に向かう蒸した車内、

外気温度計は40度をさす。

助手席に横たわる私は、

googleで「近くの病院」と話しかける。

 

応えた画面を震える視線で眺める。

 

身体にムチ打って、

搬入を終え私は野外駐車場に車を放った。

 

潮騒が聞こえてくる。

海と道と私を日差しは容赦なく、

ベージュのキャップと皮膚に突き刺さってくる。

 

私は、なんと、その日差しを浴びると、、

その道端で元気になったのだ。

なんて不思議な体験だったろう。

 

 

<写真=神戸 旧グッゲンハイム邸 搬出中の谷川くん>

 

 

大阪公演を終え帰京二日後、

予約していた健康診断におもむいた。

去年の受診より身長が2cmも低くなっていた。

やはり、早起きが定着し過ぎておじいちゃん化が進んだのだろうか。

 

嘘こけ!

 

 

 

<写真=旧グッゲンハイム邸>

 

 

後半、Tourにカメラを持っていくのを忘れてしまった。

幼少期から忘れ物が多い子供だった。

カバンの用意、ペンケースの準備、

勉強の予習、部活の復讐が嫌いなのだ。

 

『努力』嫌いそれこそが、

私が怠惰へと粘着させる。

私が私らしく生きてしまったから。

 

 

<写真=旧グッゲンハイム邸>

 

 

息子がこの1週間に40度近くの熱を、

行ったり来たりしていた。

 

私は毎日つきっきりで彼の、

汗で額につく髪を拭ったり、

病院の待合室で、

13番目の順番が来るのを

指折り数えていた。

 

 

ある日からの午後、

彼を抱きながらベッドに腰掛けているひと時、

「これが幸せでなかったら、

何が幸せだって言うんだ」

 

と口ずさむようなった。

 

こう言うメロディを生み出せたことが、

音楽家であったご褒美なのだろう。

 

さて、

またお会いすることができるのなら、

会いに来てよ。

 

旅のチケットは、

https://jamesandcharly.com

ポケットを叩くと手に入ります。

 

いい時代なんだね。

たぶん。

 

 

Kenji Ayabe

 

JとC tour 初日後記。

『平穏』 を翻訳する。

 

なだらかな丘を歩くこと。

 

 

 

 

7月14日

 

午前9:30

目黒通りを車で走らせながら、

35度を越える灼熱の都内の景色を見る。

 

ドリンクホルダーの水に水滴が映る。

数ヶ月ぶりのライブ演奏に、

鼓動が冷蔵庫のように少し唸っている。

 

『平穏』な日々の中で、

私が行う演奏というのは、

私にとって穏やかな日なのか。

否か。

 

去年、文筆家のように亡くなった祖母と、

4年前、動物から静物になった友人を、

いつもと同じに、山のよう眺めた。

 

灼けたハンドルに手を置いて、

バス停に並ぶ親子連れの前を通り過ぎ、

クリーニング業の運搬士がハッチを開けた。

 

夕飯の献立のように啓示的というか、

信頼を寄せる作家の次のページに書かれた様に、

『生こそ平穏』という文字が鳴った。

 

私の冷蔵庫はしばらく

物事を冷やすに申し分なく働きそうだった。

 

ー谷川くんとの日々ー

 

演奏は首尾よくいったはずだ。

J&Cの演奏時間は予定を大幅に超えていたのに、

僕らは全く気がつかなかった。

 

私は予てから言っている。

先にセットリストを公開するのはどうかと。

 

私が行く観劇はクラシックか、

能や狂言に行くが演目は決まっている。

予習して行く楽しみ方の方が、

個人的には好きだ。

 

招待して頂くLiveでは、

大抵入場時にセットリストを嫌が応にももらう訳だ。

曲順を先に知ることは何ということでもない。

 

だから、なかなか演奏が進まない頃合いを見て、

『おい、曲数減らすなよ!』

という声がけが必要だ。

いや、そんなことは必要ではない。

 

J&Cのとても愉快な演奏を終えてから、

夜は観劇にご招待していただいた。

押上駅で夕食難民になりながら、

私たちは夕餉をともにした。

 

さてTourが始まり。

平穏な日々の中で、

お会いしましょう。

 

Kenji Ayabe

5月6月 備忘録

 

火曜日にダイアン・バーチを。

彼女は見知らぬ同級生。

タイトルは「The end」という。

 

 

 

■6月 Ayabe家の珈琲豆

 

代官山 FACON

ホンジュラス:ラ・フォルトゥナ

ルワンダ:ニャミマラ

インドネシア:マンダリン

 

 

明け方、豆を挽いていると、

私の居場所が、まだ夢の中かと錯覚することがある。

それほど、芳しいという脈絡ではない。

珈琲が、身体の一部になる前と、後が、

時々入れ替わると言う話。

 

 

 

 

■梅雨の食事ごと

 

数年、千葉の野田に在った、

私たち夫婦の隠れ家が、

茂原へと移転した。

オーナーは妻の姿を見て、

遠い親戚のお嬢さんが突然来たとして迎えた。

 

 

-furacoco-

 

お昼のメニューはひとつしかなかった。

そう言うところが好きである。

「鰯のお膳しかないのだけど、大丈夫?」

 

と私たち以外の客にも、

そう奥さまは伝えていた。

 

周りには小川と、畑しかない場所で、

暮らしを楽しむ姿が美しかった。

 

-お昼のお膳-

furacoco

http://furacoco-nuu.com

 

 

 

 

■茂原でのつづき

 

店主にこの辺りの見所を聞くと、

レシートをちぎって、

なにやら、店名らしきものを沢山書き出してくれた。

 

『海コース』  『山コース』

 

私たちは『山コース』をドライブに選んだ。

そこで、生涯忘れない「アポロギア」と言う、

古道具店に出会う。

 

 

-アポロギア前にて-

 

店には看板も、入口らしき場所もない。

営業日は週に1日。土曜日だけ。

 

農協倉庫跡地を改装したと言う、

駐車場らしきただの地面に、

車を放置し、倉庫を一周したが、

やはり入口はなかった。

 

写真右手に映るガラス、

そのものが動いて店主が開いてくれた。

 

 

冷やっとした、アスファルトの空気に

独特の緊張感を感じながら入ると、

見事なギャラリーになっていて、

奥には見事にメンテナンスされた、

古き良き家具が『売約済』と紙が貼られた、

アンティークが所狭しと並べられていた。

 

店主の芯のある話越しに、

こちらの心が澄んでいくようだった。

一線を超えた人の魅力に、

魅了された1日だった。

 

アポロギア

http://www.apologia.jp/collection/

 

 

 

 

■ジェームスアンドチャーリー のツアー18′

 

さて、いよいよ始まる今年のtour。

素晴らしく内容のつまったCD作品も録音できた。

私の地元で、意味の詰まった映像も撮れた。

 

自分が音楽家である

身体の一部が何か言おうとしている。

旅に出るまでに、

耳をすませて、

身につけ、

表現できたらいいと思う。

 

Kenji Ayabe が存在する限り、

そこに新しい風が吹くことを。

 

Kenji Ayabe

4月 備忘録

 

 

「あなたの35年の歳月は、あなたしか知らない

それと、あなただけ知らないの、どちらが真実?」

 

 

ー自宅の出窓からー

 

 

 

■3月 Ayabe家の珈琲豆

 

代官山 FACON

エチオピア:ジンマ ナノ・チャラ

コスタリカ:ロス・セドロス

 

 

最近は外出叶わず、妻に豆の購入の使いを。

妻の顔を見るなりオーナーは、

「いいところに来ちゃったなぁ」と。

綾部家の豆は、このところタイミングが良い。

 

 

 

◾3月の本

 

カート・ヴォネガット著:「国のない男」

 

 

最近はすっかり本を手に取らなくなった。

 

息子と5月を読み、

風を読み、

陽射しを読み、

朝食を読み、

午睡を読む。

 

美しい動作の詩。

 

 

 

◾4月の花

 

家族で動物園へ行く。

年間パスポートを購入して。

広い園内を3人で歩いている。

3人というのはすごくいい。

割り切れない数字だ。

 

 

 

 

 

◾旅と春祭り

 

谷川ジェームスと、大阪、名古屋、東京公演を3つ。

久しぶりのジェームスアンドチャーリー。

ツアー数日前に肋骨骨折という診断を受けた。

黙ってれば、この前のノルディック複合のオリンピック選手みたいに、

実は折れてたんです。って格好がいいかなって思ったけど、

大阪のアンコールの最中に、ジェームスに、胸にしたサポーターをいじってるのを、

「ブラジャーしてるの?」といじられて故障を吐露。

結果一番格好が悪い感じだったが、tourはとても楽しかった。

 

 

ー三軒茶屋 太子堂中央街の銭湯ー

 

Kenji Ayabe

3月 備忘録

 

 

呼吸の

尻尾を

掴まれた !!

 

 

■3月 Ayabe家の珈琲豆

 

代官山 FACON

エチオピア:イルガチェフェ・ゴティティ

エルサルバドル:シベリア

不明:不明

 

 

 

 

朝、4:57に目覚める日が続いて

豆を脱衣所にしのんで挽いている。

幼子の早朝、目覚めの音が

「ゴリゴリ、ゴリ」というのは春に禁物。

 

 

 

◾3月の本

 

 

リチャード・ブローティガン著:「チャイナタウンからの葉書」

 

 

原文と、訳文が同時に載っていて、

目で這うように読む。すると、

トイレに行きたくなる。

 

 

 

福岡伸一著:「芸術と科学のあいだ」

 

 

どんな職業にも、芸術的◯◯家があると思う。

自分が生きている世界を、

多面的に再定義する人を、

そんな風に呼びたい。

 

芸術的交通整理家がいたら、

先頭車から見てみたい。

 

 

 

 

◾3月の花

 

紙のように薄い春から、

鮮やかな春へ。

 

どの公園へ散歩しても、

土を踏む足の裏がふかふかとして、

空気までもが柔らかい。

 

桜がなかったら、

春はもう少し静かだったかもしれない。

 

人を呼び寄せる春の自然。

生命をわかり合うとき。

 

 

 

 

Kenji Ayabe

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