kenji ayabe

NOTE

6月 備忘録

〈北極のコース〉

私たち家族は遊歩道の歩行者で、

ガラス柵のむこうでは、

ペンギンが描かれた岩肌のうえ、

真夏の日差しを振る舞う。

 

 

■7月 Ayabe家の珈琲豆

ケニア:中央州ニエリ県マシライースト地区 ンディマイニファクトリー

タンザニア / コロンビア / ガテマラ :coleto オリジナル mix

日々iceで。豆はより細挽いて、ペーパーは厚めのに。

3年前のちょうど今頃、イタリアで3週間ほど滞在していた時、ice紅茶も珈琲もiceがなくておどろいた。

1€でcafe(エスプレッソ)が至る所で飲めた。

近所にそんな寄りどころがあれば、自分で珈琲など淹れない。

いちいち面倒なのだ。美味しく淹れるってのは。

 

 

■U&DESIGN 6/29 FEVERを終えて

静かで暑い夜だった。

 

アチコさんが特に素敵で、

舞台の袖でずっと気持ちよく聴いていた。

なんか子供の頃、近所にあぁいう姉ちゃん欲しかった。

 

わたしたちのライブは、

いつも通り、いいセッションだった。

文学的に自由になるための。

 

 

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〜裏のおはなし〜

26日 PM 21:00 須藤よりMail

「こんな曲なんですけど、どうですか」-添付ファイルMP3-

新曲のデモ音源を受信。

27日の13時~16時が最終リハ。

頭がイカれている。翌日までに歌詞を書き、曲を覚え、弾きながら歌えるかっちゅうの。

今夜は別の用事だっちゅうの。

でも、断われる甲冑の。

 

そういえば10年前くらいのLiveの当日、

入り時間に集まるBs須藤とDr鈴木に、

「ちょっと新曲作ってきたから、今日本番やって」

と言って、本番にやってもらったことがあった。

 

お互い様だね~

 

 

 

Kenji Ayabe

 

 

6月 下旬

 

梅雨がくる前に

はじめること。

 

 

■U&DESIGN リハーサル 日和

 

昼過ぎ、ご飯を食べそこね、まだ手帳に詩を書きつづけていると、

一台の車が向こうの道を通り過ぎるのが見えた。

 

須藤の車で20分先のStudioへと国道を走る。

照りつける日差しは、フライパン街にいる私たちを焦がす。

 

 

 

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20代後半、ふたり揃って『銀座ライオン』でBeerを飲んだことがあった。

 

私たちが、私たちのために、

大人になろうとすることで、

不毛な頓挫をすることがまれにある。

 

 

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今思えば、

中学部活動の最中に味わった、

成長痛のようなものだったのかもしれない。

 

 

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際限なく、垂れつづけている時という闇の中で、

私たちは京都の清らかな小川にまかせる水草のように、

成すがまま、訪れる季のように流れようと。

 

それが今、『らしい』所作なのかもしれない。

 

 

Kenji Ayabe

 

6月 上旬

 

 

ときには、人生はただコーヒー、

それがどれほどのものであれ、

一杯のコーヒーがもたらす親しさの問題だということもある。

(リチャード・ブローティガン)

 

 

■6月のAyabe家の珈琲豆

インドネシア:バリ島キンタマーニ郡 インテンデワタ ナチュラル

コロンビア:カウカ県ポパヤン地区 エル・サンツァリオ農園  ウォッシュド

コスタリカ:タラス地区 リカルド エルナンデス FW ウォッシュド

豆の粗さを少し変えてみること。

毎日していたことを、ちょっと変えるって、勇気いるね。

その先の山に登ること。

 

 

■福岡伸一 知恵の学校

愛読書『動的平衡』の著書で、数年来のファンである福岡先生の講義を受けてくる。

現在N.Yで教鞭を振るう、ロックフェラー大学での生物学者なわけで、先生にサインを書いてもらうときは、人生で一番緊張したわけで。

 

 

■ソール・ライター写真展

Bunkamuraへ、家族三人で写真を眺めているのだけれど、

子供の彼がいちばん楽しんで見ていた。

妻の胸に抱かれながら、できるだけ小さな声で笑うようにしていた。

 

 

■6月29日

U&DESIGNのLiveはぜひともご来場頂きたいです。

はやばやと、今年はこれで最後になるかな。

また、いつ会えるでしょうか。

 

※ご共演には、アチコ(Ropes)さんが追加されましたね。

 

 

幸せだと、音楽って作れないもんだ。

幸せだと、音楽が楽しく聴けるもんだ。

 

 

素敵な日々を。

 

 

Kenji Ayabe

5月 備忘録

 

5月というスープを飲むために、

大袈裟でなく、いつか私は

アメリカ鱒釣りのクロークの源流へと、

辿り着かなければならない。

 

 

5月19日:『わたしの生誕日に』

神奈川県にある、三浦半島西部に位置した葉山町へ車で向かう。

腰かけた椅子が、このくらい柔らかければいいなと

潮風はわたしにそう思わせた。

 

 

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撮影=粂絢哉

 

 

過去に、わたしの誕生を喜んでくれた人々をよそにして、

となりで粂くんが、世界でたったひとつだけ描かれた地図のような顔つきをすれば、

毎年同じようなよく晴れた祝祭日を過ごすことができる。

 

 

育った家族間にはたえず、砂浜の波打ち際に干上がったクラゲのような半透明な問題があった。

電話のコード線に溜まったほこりのような会話の沈黙とはちがう、

拭えない場所にときどき雨が降るのだった。

 

 

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撮影=粂絢哉

 

 

愛するには限界がある。

人間である以上、ルールを守らなければならない。

 

夢の中でさえ、

アーネスト・ヘミングウェイに会えないように。

 

 

6月29日:『6月の仕様書』

新代田FEVERにて、

U&DESIGNというバンドで演奏をします。

 

 

どんなバンドだとたずねられたら、

 

「幼少期に書いた遺言書」みたいに、

にわかに微笑みながら、でもちょっと美しいんだよ。

 

とでも、いっておこう。

 

 

 

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撮影=粂絢哉

 

 

Kenji Ayabe

4月後半 備忘録

 

台所にある 「若草の4月」という小瓶に入った

調味料が切れるようにして。

 

 

または、

テーブルにこぼれた「薄いねむりの4月」を

乾いた布巾で拭ききれば。

 

 

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某日の調理:『PHS』

自分のPHSが、行き先も告げづ私の前から去っていった。

まるで、30日しか存在できない4月のように。

 

 

4月21日:『赤レンガ倉庫』

初めて訪れる、横浜赤レンガ倉庫にて

谷川“銀玉”正憲が生演奏する舞台「まゆをひそめて、僕を笑って」を観劇。

馬車道を信号待ちをしていると、修学旅行高校生に

「赤レンガ倉庫はどちらでしょうか」と尋ねられるも、

「実は、僕も分からないで歩いているのですよ」と伝えると

いささか不審な顔で。

 

 

4月20日:『代官山と恵比寿』

新しいエスプレッソ店や服店を巡ったり。

眼鏡店Continureへ素敵な人に会いにいったり。

人に会っている時間て、

それだけで幸せ。

 

 

再び某日の調理:『訪宅』

友人が自宅を訪れてくれるとき、

私は、珈琲を挽き、淹れる。

そうやって、余白のできたわずかな距離と時間が

これからもっと愛おしくなってくるはず。

 

 

私の5月へ

ようこそ。

 

 

Kenji Ayabe

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