kenji ayabe

LETTER

湯沢薫

風を白く濁らせた

レースカーテンには今も

微粒子の霹靂が降り注ぐ

 

わたしは朝陽を手で

振り払うことはできない

モノクロの世界では住めないのだ

 

指先が小刻みに震え

シャッターが呼び覚まされた時も

彼女は呼吸を止めてはいなかった

 

私は、

息を止めずには

その世界には居られないのだ

 

住まう世界がちがうのだ

 

Kenji Ayabe