kenji ayabe

LETTER

親密な砂漠

 

砂漠のふたりのうち一人が、

黒のカーディガンを試着する。

 

貝ボタンを留めている間、

ふたりの間を、5頭のラクダの他に、

数億年分の風が通って行った。

 

店内に閉店時間を告げる放送が鳴ると、

どこからか、星空を望む口笛を聴いた。

 

Kenji Ayabe