kenji ayabe

LETTER

牧草地と林道

那須の牧草地にぽつねんと佇む

花が遺した 白とりどり葉や枝を

棚に様々と 宿された店を訪れた

見事な灰となった花々に

生なる指で触れてみると

喪失感を風上から見下ろすような

私の唯一の居所に連れていかれた

 

白い壁には

聞いたこともない

静かな音の

風がそよいでいた

 

Kenji Ayabe