kenji ayabe

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沈黙の限り

 

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祝祭のベルが教会から鳴り、

白いドレスに身を委ねた新婦が

永遠という言葉を初めて知るこの初冬。

 

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水が湧く畔に顔を落とすように、

澄んだ線があなたと私の間に引かれる。

 

木霊の精が囁きかける、

「誰の眠りも妨げてはいけないの」。

 

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塗りつぶされた葉が3枚描かれた古紙は、

山裾から籠に流れ着いた微風のように、

沈黙の限り、心を揺らしつづける。

 

Kenji Ayabe