kenji ayabe

LETTER

実る、わたし

八百屋の軒下

商店街をなで付ける、

母達と冬の風にさらされた

赤い林檎、芝生色のキウイ。

熟れた、わたしの乾燥した指の腹が

選び取ったのは、甘さに欠けたみかん。

冬木立に吊るされた大掃除を待つ

埃が白く積もったわたしの心と

ずっと高い空が

目から鼻へすっと抜けた

Kenji Ayabe

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