kenji ayabe

LETTER

夜の制止

 

紛失した夜に腰掛ける

あなたが好きだ。

 

想い出の箪笥から顔を出し、

裸一丁の姿の私に、

 

「もう過去の日誌は、図書館に置いてないわ」

 

私は、高速道路の高架下で、

月に照らされた滑り台。

 

「現実をライバルだと思うのなら、なんて悲劇的」

 

ラブホテルの看板の下に投げ捨てられた

私は遺失物なのだ。

 

Kenji Ayabe