kenji ayabe

LETTER

余白にて

先日、東京装画賞で金賞をとられた

画家 小林氏と御苑前のcafeで会い

彼と私の可笑しさで 日射しはとても心地よかった

 

安保法案にこころ 日々が掻き乱されて

フロイトがアインシュタインに送った書簡

『人はなぜ戦争をするのか』に訪ね歩く夜が

私の秋だったのかな

 

私たちは 湯沢薫さんの画を買って

机のとなりに 立ててある

すっかり胸の紐が 緩んでいくみたい

 

TOKYO ART BOOK FAIRのエネルギッシュさに

かってに蹴倒されてしまって

誰かの背中にぴったりとくっついてた

ぶつかるくらい ぴったりして

 

知らない街の中華料理屋さんには

誰かのおじさんと、おばさんが4人

テレビを見ながら人生の大半を

座って過ごしていた

 

彼らは、彼らの余白のなかで

それを楽しんでいた

見渡すかぎりの 濁ることのない

余白の海を 漕いで

 

Kenji Ayabe