kenji ayabe

LETTER

コップの底

健康診断の予約をするために、

パソコンを開いた。

それなのに、

さっきからグラスの底を、

眼鏡のふちに合わせて、

窓の向こうの青空を覗いてばかりいるワタシ。

 

円形に歪んだ世界。

風が肌をさわり、

耳にはGrouperのCDが聴こえてくる。

 

お腹が痛いとき、

この時間は、「痛い」一瞬の連続だから、

この一瞬が、「偽り」の連続であるように願う。

 

この幸せのとき、

幸せは、「心地よい」一瞬の連続だから、

この一瞬が、「真実」の連続であるように願う。

 

すべては、なにかの、延長ではないの。

 

わたしは、わたしの、連続だから。

 

Kenji Ayabe